デジタル遺言(保管証書遺言)とは? 2028年度導入予定の新制度を解説

遺言書コラム / 最新制度・法改正

デジタル遺言(保管証書遺言)とは?
2028年度導入予定の新制度を解説

2026年4月、スマホやPCで遺言書が作れる「デジタル遺言(保管証書遺言)」の導入が閣議決定されました。今後の遺言制度がどう変わるか、札幌・北海道で相続を扱う司法書士の視点から解説します。

🆕 2026年4月 閣議決定 2028年度 導入予定 札幌・北海道全域対応
📋 最新情報 / 2026年6月時点

これまで遺言書の方式は「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」が主流でした。2026年4月の閣議決定により、3つ目の選択肢として「保管証書遺言(デジタル遺言)」が新たに導入される見通しとなりました。

「スマホで遺言が作れるなら、今作るのを待ったほうがいい?」というご質問をいただくことが増えています。この記事では新制度の内容を整理し、今どう動くべきかについて明確にお伝えします。

デジタル遺言(保管証書遺言)の3つのポイント

POINT 01

💻

手書き不要・PCやスマホで作成

これまでの自筆証書遺言は「全文を手書き」する必要がありました。新制度ではキーボード入力や音声入力での作成が認められます。手が不自由な方にも使いやすくなります。

POINT 02

🏠

法務局に行かずオンラインで手続き完結

保管の申請から確認まで、すべてオンラインで行えます。「法務局が遠い」「外出が難しい」という北海道内の方にとって、特に利便性が高い制度です。

POINT 03

🔐

法務局への「保管」で効力が発生する仕組み

デジタルデータとして法務局に保管されることで効力を持ちます。紛失・改ざんのリスクがなく、死後に相続人へ通知される仕組みも整備される予定です。

🔎 「読み上げ」の要件に注意

デジタル遺言には、法務局の担当者(保管官)の前で「遺言の全文を読み上げる」ことが要件となっています。ただし、ウェブ会議システムを使った非対面での実施も認められる予定です。

制度導入のスケジュール

「閣議決定=すぐ使える」ではありません。実際に制度が動き始めるまでには、まだ時間がかかります。

2025年10月

公正証書遺言のデジタル化が開始

公証役場への来所が不要になり、Web会議で公正証書遺言を作成・電子保存できるようになりました。

2026年4月

民法改正案(デジタル遺言を含む)が閣議決定

「保管証書遺言(デジタル遺言)」と「成年後見制度の見直し」を含む民法等改正案が閣議決定されました。

2026年〜(予定)

国会での審議・法律成立

閣議決定はあくまで政府方針の確定。国会での審議・可決により正式に成立します。

2028年度(目安)

デジタル遺言の実際の運用開始

法律では「公布から3年以内」に施行とされています。実際にスマホ・PCで遺言書を作れるようになるのは、早くても2028年度以降となる見通しです。

3制度の比較まとめ

💡 表は右にスクロールできます

比較項目 デジタル遺言
(保管証書遺言)
公正証書遺言
(現在利用可)
法務局保管制度
(現在利用可)
作成方法 PC・スマホで入力 公証人が作成(来所 or オンライン) 本人が全文を手書き
保管先 法務局(データ) 公証役場(原本) 法務局(現物)
検認の要否 不要 不要 不要
手書きが困難な方 対応可 対応可 対応不可
費用(実費) 未定(3,900円程度の見込み) 公証人手数料(財産額による) 3,900円
死後の相続人通知 あり(予定) なし あり(希望者)
今すぐ利用できるか ❌ 2028年度以降 ✅ 今すぐ可能 ✅ 今すぐ可能

「デジタル遺言まで待つべき?」という疑問へのお答え

新制度が便利なのは事実ですが、「2028年まで待つ」はおすすめしません。理由は3つあります。

理由1

遺言書に「早すぎる」はない

急な入院・認知症の進行など、作りたいと思ったときに作れなくなるリスクがあります。「元気なうちに」作ることが何より重要です。

理由2

現行制度でも十分な安全性がある

公正証書遺言・法務局保管制度は、すでに高い安全性を持つ制度です。「デジタル遺言でしかできないこと」は今の段階ではほとんどありません。

理由3

遺言書はいつでも書き直せる

今の制度で作成した遺言書は、将来デジタル遺言が普及した後でも書き直せます。「まず作ること」が家族を守る第一歩です。

📝 司法書士からのひとこと

デジタル遺言は確かに便利な制度ですが、「新制度が使えるまで待とう」と先延ばしにすることで大切な時機を逃すケースが一番心配です。現在の公正証書遺言はすでにオンラインで公証人と打ち合わせが可能になっており、利便性は大きく向上しています。まず今できる方法でしっかり備えておくことをお勧めします。

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